2018年6月10日日曜日

『悲劇』は繰返し、再び次の悲劇を生む

昨夜、新大阪行きの新幹線車内で乗客の男一名・女二名が被害に遭う『無差別殺傷事件』が発生・・・男性被害者が、命を失った。

女性2名も重傷を負ったが、命には別条がない模様・・・

事件の発生によって停車予定の無い小田原駅に停車し、警察によって犯人(容疑者)は、其の場で逮捕された。

車掌さんも事件発生直後には犯人と対峙し、説得に当たったとの事です。

犯人は、無職の22歳の男性・・・日頃から「自分には価値が無い」と親類に云っており、其れを参考に推察するに『自分の人生を悲観した犯人による道連れ殺人』的な動機だろうか・・・精神的に不安定であっても、身勝手である。

被害に遭われた方々には微塵の落ち度もない。

こんな形で命を落とされた方には言葉も無く、残念でならない。

しかし、こうした類の事件を起こした犯人は、事件の重大さは理解できるのだろうが、何故か其の場で自殺したりしない。

・・・コノ辺りは、海外のテロリストの覚悟と心持とは違うようだ。

奇しくも10年前の6月8日に東京の秋葉原で死者10・負傷者7名の被害を及ぼした『秋葉原無差別殺傷(通り魔)事件』が発生している・・・たぶん今般の事件の犯人は、秋葉原の事件を知り得ている、また其の日に照準を合わせていたとも想像できる。

どうしても我慢ならないなら、独りで死ねばイイ・・・巻添えは要らない。

こうした事件が起こる度、そう思う。

山で首を吊ろうが、海に身を投げようが、ビルから飛ぶ時にはなるべく深夜に下を確認してから、死んで親が悲しもうが、そうして欲しい。

閑話休題。

もうひとつの『悲劇』も哀れで悲しい・・・

今年の3月、東京の目黒区で当時5歳の船戸結愛(ゆうあ)ちゃんが、父親に殴られた後、救急搬送され、搬送先の病院で死亡が確認された。

警察の捜査から明らかになった事件の内容は、両親は1月頃から結愛ちゃんに対して十分な食事を与えず、栄養失調状態にさせ、病院にも連れて行かず虐待を与え続け、3月2日に肺炎による敗血症で死亡した。

両親は今年1月以前には香川県善通寺市に在住しており、児童相談所に二度保護されていた。

たぶん、面の割れた土地から逃げたのだろう・・・

両親の転居に伴い、虐待の情報は東京の品川児童相談所に引き継がれたが、結愛ちゃんに児童相談所の職員が面会できなかった・・・2月に父親が結愛ちゃんを殴ったとして傷害容疑で逮捕されている。

しかしながら、結愛ちゃんは保護される事無く、保護されたとしても二週間後に両親に還され、結愛ちゃんは虐待を受け続けた。

両親のうわべの反省で、制度上は二週間で還すらしい・・・欠陥である。

日本では『子供は親が育てる』の建前が優先されたり、親の権利が行政の強制力より優越的である・・・親の保育・保護能力はあまり考慮されない。

日本には、結愛ちゃんの件に限らず、幼児虐待が繰返される“土壌”がある。

・・・行政に強制権があっても、児童相談所が積極的に行使しない。

幼児虐待は、親が起こす・・・幼児は絶対的な受け身・・・行政が保護しないと改善はおろか、確実に子供の精神に傷が残る。

保護した子供を虐待した親に安易に還す事は、虐待を助長するに等しい。

よく「子供を愛さない親はいない」と言われるが、確実に「子供を愛せない親もいる」と社会が認識を改めないと、性善説ばかりでは事は改善しない。

子を愛せない親に還さないという行政側の認識と子供の積極的保護への改善が必要である。

以下に結愛ちゃんが書いたとされる親に当てた反省文を記す・・・

“ ママとパパにいわれなくってもしっかりとじぶんからもっともっときょうよりかあしたはできるようにするから もうおねがい ゆるして ゆるしてください おねがいします
 ほんとうにおなじことはしません ゆるして きのうぜんぜんできなかったこと これまでまいにちやってきたことをなおす これまでどんだけあほみたいにあそんだか あそぶってあほみたいだから やめるから もうぜったいやらないからね ぜったいにやくそくします ”

この文章をたった5歳の女の子が自分に向けて虐待を続ける両親に必死で許しを請おうと書いたのだ。

・・・母親が結愛ちゃんに無理矢理書かせたであろう事は判る。

それでも親は、結愛ちゃんを虐待し続け、挙句、殺した・・・

5歳の女の子が放り込まれた“生き地獄”は、自分には想像できない・・・地獄しか知らずに死んでいった結愛ちゃんが、不憫でならない。

起訴できる容疑は『傷害致死』か、『保護責任者遺棄致死』か、その程度だが、コレが『殺人』でなくて何なのだろう?

我々はこんな惨劇が起こる、そんな国に住んでいる。

正直、こうした事件は二度と聞きたくない。

今も同じ状況の子供は確実にいて、結愛ちゃんの事件を見た当事者はより深いアンダー・グラウンドへ潜む・・・

無差別殺傷事件もTVやネットで事件を知った別の精神薄弱者が、何年か後に『模倣犯』の様に事件を引き起こす・・・

全ては防げない・・・とは、想う。

そう想うなりに『悲劇を繰返す、悲劇を生む土壌』が改善される事を望む。

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