2018年4月6日金曜日

『文民統制』は機能しているか?

『文民統制』とは、簡潔に言えば「国の軍事部門に対する政治の優越(優先)」である。

日本国は、憲法上の文字の意味する処では国家として軍を有する事は出来ないが、事実上、軍事を司る国家公務員としての『自衛隊』は存在している。

此処では自衛隊の存在意義や憲法上の疑義などは、問題としない・・・

しかしながら、自衛隊に対する政府(政治)の文民統制については、今現在、疑問符がついている。

前任の稲田氏が防衛大臣であった期間の『イラクPKO活動における日報問題』に於ける国会質疑で「稲田防衛大臣は「日報は見付からなかった」「保存期間を過ぎ、破棄された」と答弁、「PKO活動中には戦闘は無かった」と結論づけている。

その、無いはずの日報が、今になって発見された・・・

・・・わかり易く言えば、隠蔽された。

一応、後任である小野寺五典大臣による「再捜索指示によって見付かった」とはしているが、防衛省職員が積極的に協力した形跡はない。

推察するに「見せては困る事」や「政治家に対して説明した日報の内容と異なる回答をした為、隠さざるを得なかった」と見るのが妥当、とは想う。

・・・何処かで聞いたような話だ。

此処で解るのは、①官僚(国家公務員)とは非常に真面目な方々で、辻褄が合わない事を異常なほど嫌う事と、②自分達(=官僚)が心血を注いで作成した資料や文書は、決して破棄しない事、③事実はどうあれ、政治家に言訳するのが嫌で、取敢えず資料や文書を隠す、④どうも根底に政治(家)に対する不信感がある、等々。

これらを総括すると、「国家公務員は、政治家に統率されたフリをして各部署(または省庁)毎に組織防衛をする」のである。

戦争が終わって、そろそろ70年である・・・

・・・『経年劣化』ではなかろうか?!

公務員は、犯罪を犯すか背任や横領または贈収賄でもしない限り、一応、まず定年まで勤める事が出来る。

しかし、ひとたび組織の危機を感じた時には、罪とは判っていようが組織的に背信行為を犯す・・・

信頼が崩れる事すら、厭わない。

国民としては真面目に働いてさえくれれば、そんなに文句も無いのだが・・・

・・・此れで『文民統制』は機能していると言えるだろうか?!

答は、NOである。

誰が何と言おうが、絶対にNOである。

日中戦争になった元凶は、陸軍の暴走である・・・

それに海軍や他の閣僚たちが嫌々追随していった結果、日米開戦・・・太平洋戦争に走らせた。

国家は、暴走する・・・

国家が暴走すれば、まず其の国民には止められない。

正直、いつまでも謝るのは嫌ではあるが、なぜそうなったかは謝る度に省みる機会にはなるのではないでしょうか?

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